今回はこれからはじめる初心者の方向けに管理人おすすめの米国株ポートフォリオとその運用ポイントを紹介したいと思います。
米国株ポートフォリオの概要
まず、ポートフォリオの具体的な銘柄や数量を選定する前に以下の3つのポイントを抑えておきましょう。
- 運用期間はどれくらいか?
- 投資元本をどのくらい準備するか?
- リスクはどの程度許容出来るのか?
具体的な銘柄についてはこれらを考えた後に選定していきます。 米国株の相場(チャート:SPY)は基本右肩上がりですが、概ね数年に1度は10~20%程度下落しています。
まずは以下の2つのパターンで下落相場を考察してみます。 パターン①は「リスクが大きいポートフォリオ」を想定していて、変動リスクが年率5%~-20%、初年度の投資資金を100としています。
パターン②は①より「リスクが小さいポートフォリオ」を想定していて、パターン①の半分の変動とし、初年度の投資資金は①と同じ100とします。
ここで、『リスク』は「株価変動のブレ幅の大きさ」(=いわゆるボラティリティ)として定義しています。リスク大であれば変動幅が大きいということを意味します。
<パターン①「リスク大ポートフォリオ」>
年数 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目 |
リスク(変動率) | 10% | 10% | -20% | 5% | 5% | 5% |
リターン(株価) | 110 | 121 | 96.8 | 101.64 | 106.72 | 112.056 |
<パターン②「リスク小ポートフォリオ」>
年数 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目 |
リスク(変動率) | 5% | 5% | -10% | 3% | 3% | 3% |
リターン(株価) | 105 | 110.25 | 99.225 | 101.7 | 104.24 | 106.846 |
パターン①「リスク大ポートフォリオ」はパターン②「リスク小ポートフォリオ」に対して大きな下落相場が来た3年目と4年目はリターンがアンダーとなっています。
つまり、下落相場の年はリスク小の方がリターンが高いという結果になります。
その後、相場の回復とともに、元本も回復していきますので、慌てず焦らず相場から降りないことが必要になります。
次はこれらを踏まえて、ポートフォリオ構築のポイントをまとめて行きたいと思います。
ポートフォリオ構築のポイント
ポートフォリオ構築のポイントをまとめると、
- 運用期間はどれくらいか?
- 投資元本をどのくらい準備するか?
- リスクはどの程度許容出来るのか?
これらを踏まえて具体的なポートフォリオを考えていきます。
運用期間の決め方
ところで皆さんは運用したお金の使い道って決めていますか? 「アーリーリタイアしたい人」や「老後資金を蓄えたい人」、「年金の補完として配当をもらいたい人」、運用したお金の使い道って人それぞれだと思います。
増やしたお金を使う時期を想定しておくと、およその運用期間が決まると思います。 例えば、 ・アーリーリタイアの人であれば55歳 ・老後資金を蓄えたい人であれば60歳 ・年金補完の人であれば65歳 とします。
本記事の読者層を30代~50代と仮定してみましょう。 Aさんは現在35歳で将来55歳でアーリーリタイアしたいと思っているとします。この場合の運用期間は20年。 Bさんは現在45歳で将来60歳で老後資金を蓄えたいと思っているので運用期間は15年。 Cさんは現在55歳で将来65歳で年金を補完したいと思っているので、運用期間は10年とします。
このように運用期間を想定してみました。
投資元本の決め方
運用期間と期待するリターンによってどのくらいの元本を準備すれば良いのかが分かります。 まずはAさん、Bさん、Cさんの期待リターンを想定してみましょう。
【Aさん 運用期間20年 アーリーリタイア】
【Bさん 運用期間15年 老後資金形成】
【Cさん 運用期間10年 年金補完】
Bさんの老後資金の目安は一般的には「60歳時点で3000万円」の貯金が必要といわれています。
一方、Aさんのようにアーリーリタイアする人に必要なお金は、60歳まで働いてきた人よりも金額が多くなります。これは働いた期間が短い分、年金額も少ないからです。
世帯主が60歳以上で2人以上の世帯支出の平均は、「世帯主の年齢階級別家計支出(二人以上の世帯)-2015年-」(総務省統計局)によると、 60~64歳 月27万6620円 65~69歳 月27万5872円 70~74歳 月24万8122円 75歳以上 月22万7266円 全体平均 月24万7815円 となっています。 (出典 「世帯主の年齢階級別家計支出(二人以上の世帯)-2015年-」(総務省統計局))
月25万を目安に10年間の蓄え(25万×12カ月x10年=3000万)+Bさんの3000万円を加えて、Aさんは計6000万を蓄える必要があります。
一方、Cさんの場合、一般的には年金プラス5万あれば良いと言われています。男性平均寿命を85歳とすると、5万x12ヵ月x20年(85-65)=1200万となります。
まとめると、
【Aさん 運用期間 20年 目標6000万】
【Bさん 運用期間 15年 目標3000万】
【Cさん 運用期間 10年 目標1200万】 となります。
次に元本を考えていきましょう。貯蓄からどの程度を運用に回せば良いでしょうか?
ここで以下のような「複利早見表」を使います。
「複利早見表」を使えば、「現在の元本を”X”%で運用すれば”Y”年後に”Z”倍になる」といった見方ができます。
<複利早見表>
年/年率 | 1% | 2% | 3% | 4% | 5% | 6% | 7% | 8% | 9% | 10% |
スタート | 1.00 | 1.00 | 1.00 | 1.00 | 1.00 | 1.00 | 1.00 | 1.00 | 1.00 | 1.00 |
1年後 | 1.01 | 1.02 | 1.03 | 1.04 | 1.05 | 1.06 | 1.07 | 1.08 | 1.09 | 1.10 |
2年後 | 1.02 | 1.04 | 1.06 | 1.08 | 1.10 | 1.12 | 1.14 | 1.17 | 1.19 | 1.21 |
3年後 | 1.03 | 1.06 | 1.09 | 1.12 | 1.16 | 1.19 | 1.23 | 1.26 | 1.30 | 1.33 |
4年後 | 1.04 | 1.08 | 1.13 | 1.17 | 1.22 | 1.26 | 1.31 | 1.36 | 1.41 | 1.46 |
5年後 | 1.05 | 1.10 | 1.16 | 1.22 | 1.28 | 1.34 | 1.40 | 1.47 | 1.54 | 1.61 |
6年後 | 1.06 | 1.13 | 1.19 | 1.27 | 1.34 | 1.42 | 1.50 | 1.59 | 1.68 | 1.77 |
7年後 | 1.07 | 1.15 | 1.23 | 1.32 | 1.41 | 1.50 | 1.61 | 1.71 | 1.83 | 1.95 |
8年後 | 1.08 | 1.17 | 1.27 | 1.37 | 1.48 | 1.59 | 1.72 | 1.85 | 1.99 | 2.14 |
9年後 | 1.09 | 1.20 | 1.30 | 1.42 | 1.55 | 1.69 | 1.84 | 2.00 | 2.17 | 2.36 |
10年後 | 1.10 | 1.22 | 1.34 | 1.48 | 1.63 | 1.79 | 1.97 | 2.16 | 2.37 | 2.59 |
11年後 | 1.12 | 1.24 | 1.38 | 1.54 | 1.71 | 1.90 | 2.10 | 2.33 | 2.58 | 2.85 |
12年後 | 1.13 | 1.27 | 1.43 | 1.60 | 1.80 | 2.01 | 2.25 | 2.52 | 2.81 | 3.14 |
13年後 | 1.14 | 1.29 | 1.47 | 1.67 | 1.89 | 2.13 | 2.41 | 2.72 | 3.07 | 3.45 |
14年後 | 1.15 | 1.32 | 1.51 | 1.73 | 1.98 | 2.26 | 2.58 | 2.94 | 3.34 | 3.80 |
15年後 | 1.16 | 1.35 | 1.56 | 1.80 | 2.08 | 2.40 | 2.76 | 3.17 | 3.64 | 4.18 |
16年後 | 1.17 | 1.37 | 1.60 | 1.87 | 2.18 | 2.54 | 2.95 | 3.43 | 3.97 | 4.59 |
17年後 | 1.18 | 1.40 | 1.65 | 1.95 | 2.29 | 2.69 | 3.16 | 3.70 | 4.33 | 5.05 |
18年後 | 1.20 | 1.43 | 1.70 | 2.03 | 2.41 | 2.85 | 3.38 | 4.00 | 4.72 | 5.56 |
19年後 | 1.21 | 1.46 | 1.75 | 2.11 | 2.53 | 3.03 | 3.62 | 4.32 | 5.14 | 6.12 |
20年後 | 1.22 | 1.49 | 1.81 | 2.19 | 2.65 | 3.21 | 3.87 | 4.66 | 5.60 | 6.73 |
複利早見表からAさん、Bさん、Cさんに必要な元本は以下のとおりです。
利率/運用スタイル | A君 20年 | B君 15年 | C君 10年 |
年率1% | 4917万円 | 2584万円 | 1086万円 |
年率3% | 3322万円 | 1926万円 | 892万円 |
年率5% | 2261万円 | 1443万円 | 737万円 |
年率7% | 1550万円 | 1087万円 | 610万円 |
年率10% | 892万円 | 718万円 | 463万円 |
「投資元本」と「運用期間」によって目指す「運用利回り」が決まります。
一般的に米国株市場は年率7%前後と言われてますので、米国株市場に投資するなら、A君であれば必要な元本は約1500万円、B君は約1000万円、C君は約600万円ということになります。
まとめると、
【Aさん 元本1500万円を20年間、年率7%で運用して 目標6000万】
【Bさん 元本1000万円を15年間、年率7%で運用して目標3000万】
【Cさん 元本 600万円を10年間、年率7%で運用して目標1200万】 となります。
リスクについて
次は米国株市場(年率7%)に10年、15年、20年投資を続けた際のリスクについて考えたいと思います。
「10年、15年、20年を年率7%の米国株で運用する」ということは一旦どれくらいのリスクなのでしょうか? さきほどのSPYのチャートからAさん、Bさん、Cさんの最大下落と最終リターンを見ていきましょう。
年数 | 株価 | 年率 | Aさん | Bさん | Cさん |
1998年 | 100 | 1500 | |||
1999年 | 127.66 | 27.7% | 1915 | ||
2000年 | 139.63 | 9.4% | 2094 | ||
2001年 | 137.02 | -1.9% | 2055 | ||
2002年 | 113.18 | -17.4% | 1698 | ||
2003年 | 86.06 | -24.0% | 1291 | 1000 | |
2004年 | 113.48 | 31.9% | 1702 | 1319 | |
2005年 | 118.16 | 4.1% | 1772 | 1373 | |
2006年 | 127.5 | 7.9% | 1913 | 1482 | |
2007年 | 140.93 | 10.5% | 2114 | 1638 | |
2008年 | 137.37 | -2.5% | 2061 | 1596 | 600 |
2009年 | 82.83 | -39.7% | 1242 | 962 | 362 |
2010年 | 107.39 | 29.7% | 1611 | 1248 | 469 |
2011年 | 128.68 | 19.8% | 1930 | 1495 | 562 |
2012年 | 131.32 | 2.1% | 1970 | 1526 | 574 |
2013年 | 149.7 | 14.0% | 2246 | 1739 | 654 |
2014年 | 178.18 | 19.0% | 2673 | 2070 | 778 |
2015年 | 199.45 | 11.9% | 2992 | 2318 | 871 |
2016年 | 193.72 | -2.9% | 2906 | 2251 | 846 |
2017年 | 227.53 | 17.5% | 3413 | 2644 | 994 |
2018年 | 281.9 | 23.9% | 4229 | 3276 | 1231 |
【Aさん 元本1500万円 運用5年目に最大14%下落→209万円損失、最終リターンは4229万円】
【Bさん 元本1000万円 運用6年目に最大3.8%下落→38万円損失、最終リターンは3276万円】
【Cさん 元本 600万円 運用1年目に最大40%下落→238万円損失、最終リターンは1231万円】
という結果になりました。同じ米国株市場(年率7%)ですが、運用開始時期により元本に応じた損失額が大きく異なります。
みなさんいかがでしょうか? 前述しましたが、相場の回復とともに、元本も回復し、利益も乗ってきます。 ご自身の許容できる損失範囲内で運用しつつ、慌てず焦らず相場から降りないことが必要になります。
まとめ
2 投資元本は将来、必要とするお金から「複利早見表」を使用することで計算できる。
3 そのために、年率7%のリターンが期待できる米国株に投資する。
4 自身の許容できる損失範囲内で運用し、損失が出ても慌てず焦らず相場から降りないことを心がける。
今回の記事で「年率7%でX年運用してY万円にする。」という具体的な教値目標が出来たと思います。 次は一体どんな銘柄を選択すれば良いのでしょうか? 長くなりましたので、銘柄選択は次の記事に続きます。

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