どうも、スマブロ@KENです。
本記事では米国株保有銘柄のうち、グロース株の1つでもある、アマゾン【AMZN】を分析します。年次決算書から企業の成長性や今後の投資戦略を検討してみます。
- アマゾンへの投資を検討している方
- アマゾンの年次業績を知りたい方
- 一般消費財株に興味がある方
【AMZN】アマゾンの概要
それでは、アマゾン【AMZN】の企業概要と事業について説明してきましょう。
「アマゾン」ってどんな会社?
「アマゾン【AMZN】」は米国の大手オンライン小売業者です。元々はインターネットで書籍を販売していましたが、家庭用品、衣料、家電、書籍、CD・DVD、ゲーム等の電子商取引、クラウドコンピューティング事業、デジタルストリーミング事業を展開しています。
同社は年率70%のグロース株です。
企業情報
会社英名 | Amazon.com Inc |
本社所在地 | アメリカ合衆国 ワシントン州シア卜ル |
設立年月日 | 1994年7月 |
従業員数 | 798,000人 |
上場市場 | NASDAQ |
業種分類 | Consumer Cyclical(一般消費財 |
時価総額 | 1323.73B(同業種内1位) |
URL | https://www.amazon.com/ |
同業他社
アマゾン・ドット・コム【AMZN】のセクターは「Consumer Cyclical(一般消費財)」、産業は「Internet Retail(インターネット小売)」です。時価総額で比較するとアマゾン・ドット・コム【AMZN】は世界1位です。2位、3位は共に中国のネット通販大手です。
- 1位 アマゾン・ドット・コム【AMZN】
- 2位 アリババ【BABA】
- 3位 JDドット・コム【JD】
- 4位ピンデュオデュオ【PDD】
- 5位 メルカドリブレ【MELI】
※スクリーナは「finviz」というサイトで確認しています。
ビジネスモデル
アマゾン・ドット・コム【AMZN】は元々オンライン書籍販売会社でしたが、現在は以下のビジネスを展開しています。
①小売業ビジネス
②サブスクリプションビジネス
③プラットフォームビジネス
④ロイヤリティビジネス
⑤クラウドコンピューティングビジネス
詳しく説明します。
「小売業ビジネス」はアマゾン・ドット・コムの中核事業です。マーケット(amazon.co.jp)を通じてメーカーや問屋から仕入れた商品を消費者(カスタマー)に提供しています。マーケット(amazon.co.jp)にて様々なカスタマーの趣味・趣向に応じた製品を提案することで単なる商品販売だけでなく、顧客に対して様々な有益な利便性を提供しています。
「サブスクリプションビジネス」は電子書籍(Kindle)やデジタルストリーミング(Amazon Prime)を通じたコンテンツを販売しています。「定期購入」、「定期購読」といった定期サービスを提供することで、毎月一定額の会費収入を得ています。
「プラットフォームビジネス」はアマゾン以外の出品者がAmazonマーケットプレイスに出店、出品することができる仕組みです。出品者に対して商品管理、受注管理、決済管理、配送といったプラットフォームを提供することで、出品者から手数料収入を得るビジネスです。
「ロイヤリティビジネス」は電子書籍(Kindle)で出版社が原稿データをアマゾンに登録して販売することで販売額に応じた手数料収入を得るビジネスです。この仕組みはプラットフォームビジネスに近いものがあります。
「クラウドコンピューティングビジネス」は新興企業、政府機関、学術機関など、あらゆる規模の開発者と企業向けにコンピューティング、ストレージ、データベースを提供して利用料を得ています。
アマゾン独自製品としては、Kindle(電子リーダー)、Fireタブレット、Fire TV、Alexa(Echoデバイス)が有名です。クラウドコンピューティングとしては「AWS:Amazon Web Services」、デジタルストリーミングでは「Amazon Prime」が有名です。
2017年には高級スーパーマーケットのホールフーズマーケットを買収しました。「小売業ビジネス」にて「amazon fresh」というサービスで食料品宅配事業を展開しています。スーパーマーケット事業や食品の流通システムを手に入れて事業を益々拡大しています。
製品セグメント
アマゾン・ドット・コム【AMZN】のセグメントは米国、国際市場、AWSです。全体では売り上げは前年比20%増加しました。
- 61%の売上げを占める、米国市場は前年比プラス21%増加。
- 27%の売上げを占める、国際市場は前年比プラス13%増加。
- 13%の売上げを占める、AWSは前年比プラス36%増加。
小売業がメインですが、クラウドコンピューティング事業(AWS)が好調です。
米国 :61%
国際市場 :27%
AWS :12%
地域別営業利益は米国(US)が61%、国際市場が27%、AWSが12%です。
米国 :61%
国際市場 :27%
AWS :12%
財務表分析
売上高・純利益・営業利益率
それでは、年次報告(annual report)で年間の経営成績を確認してみましょう。
- 売上高は綺麗な右肩上がりで、10年で8倍に成長しています。
- 営業利益率は平均で約3%ですが、2015年以降から漸増傾向です。
- 2019年はオンライン通販が+20%と堅調で、AWSも+36%と順調に成長し、収益は拡大しています。
売上高 本業で得た収益を表す。売上高は会社の事業規模を示します。
営業利益 売上高からコストを差し引いた、本業で稼いだ利益を示す。
純利益 経常利益に対して特別利益や特別損失を加算/減算し、そこからさらに税金を差し引いたもの。最終的に会社に残るお金を表します。
営業利益率 営業利益率売上高と営業利益との割合(営業利益÷売上高×100)
キャッシュフロー
- 営業CF、FCF(フリーキャッシュフロー)は増加傾向です。
- 2019年は営業CF、フリーキャッシュフローともに最高値を更新しており、資本支出も事業拡大に伴う設備投資により増加しています。投資を行いつつも、しっかりフリーキャッシュは残しています。
営業CF 本業の収入と支出で得たキャッシュ量。合計額がプラスであれば、本業が順調であることを示します。
★営業CFがプラス→キャッシュ増加→財務CF/投資CFがUP→業績UP
★営業CFがマイナス→借入金増加→財務CF/投資CFがDOWN→業績DOWN
FCF フリーキャッシュフロー=営業キャッシュフロー+投資キャッシュフローで求めます。
★FCFがプラス → 借入金減少 → 経営良好
★FCFがマイナス → 借入金増加 → 経営悪化
資本支出 「有形固定資産の購入」値を「営業CF」から差し引いた値
売上高FCF比率 FCF÷売上高x100で求めます。
バランスシート
- 総資産は順調に増加しています。2019年に最高値の2240億ドルに達しました。
- 2017年には高級スーパーマーケットのホールフーズマーケット買収に起因する収益が含まれています
- 自己資本比率は10年平均で約20~40付近で横ばい傾向であり、健全な経営状況です。(一般に自己資本比率の平均は赤字企業で-4%、黒字企業で25%、優良企業(黒字企業中上位15%)で53%といわれています)
株主還元指標(1株利益(EPS)+1株配当+増配率+配当性向)
- 1株利益(EPS)は2018年から急激に増加しています。従来の売上げ拡大路線から利益が生まれる体質に変化しています。
- 配当はなく自社株買いはありません。
チャート分析
10年チャート
株価は凄まじい勢いで右肩上がりを形成しています。2020年も引き続き最高値を更新しています。2020年3月の新型コロナパンデミックにより13%ほど大きく下落しましたが、直ぐに反発しています。
5年間のトータルリターン比較
5年間のトータルリターンをS&P500とNYダウで比較しました。S&P500が48%の成長であるのに対してナスダックは134%、アマゾンは781%と驚異的な成長となっています。
まとめ
2 営業利益率は平均で約3%と低いが、近年EPSが急騰しており、売上拡大路線から利益が生まれる体質に変化しつつある
3 配当はなし
4 チャートは最高裁値を更新中
5 株価成長(2015-2020年)はS&P500が+48%、ナスダックが+134%、アマゾンは781%とインデックスを大幅に上回っている
株価は右肩上がりで驚異的なスピードで成長しています。
今後、オンライン通販は新型コロナウィルスの影響をうけて、益々需要が見込めますし、クラウドコンピューティング事業(AWS)の拡大など収益の拡大が望めそうです。配当はありませんが、株価は上がり続けている状態なので、買い増しのタイミングは見当たりません。
スマブロ@KENは連続増配株の配当狙いを目的とした投資戦略なので、アマゾン株に集中投資していませんが、市場観測目的で少額保有しています。アマゾンは取得以来2.3倍に成長しています(保有株の中でダントツです)。アマゾンのような成長株は売買のタイミングが難しいため、やはり連続増配株をメインにポートフォリオの配当が3%になる範囲で調整しながら保有する戦略です。
オススメ度 ・・・★★★★★星5つ です!